震える手

0. エンドロール

後悔に後悔を重ねて塗り固められた醜い形。何も感じないと言われればそうなのだ。いつからか、どこかが欠落していて、大事なものには一生気づけないでいる。100の全てを受け止められないなら、刹那的な思いだけでよかった。ずっとなんてないから。あなたも私も。「あなたのエンドロールに私の名前があるならそれでいい」

 

1. 病気

私はきっと病気なのだと思う。病気でない人間などいないけど、私も例に漏れず重症だ。眠れない夜ほど生きることを感じる。弱っちい精神を動かせよう動かせようと心臓がドクドク音を立てている。眠ることを求めている私には心臓の音さえ耳障りで余計に眠れなくなる。でも同時に生きてることを感じる。不眠のときって意識と身体が平行線上を辿っていて混じり会うことなんてないんだなって思う。

繰り返される感情はただ1つだけで、何度も何度も巡っては私の首をじりじりと締め上げる。宙ぶらりんの状態で生き急ぐので、不格好に足をばたつかせて一歩も前には進めない。心の姿は目に見えないから、傷だって罪だって思い知ることなんて出来ないのかもな。落ちるところまで落ちていけばいい、私には明日がないのだから。寒い日の吐息に似た煙草のケムリのように、冷えきった心で私は不純物の混ざった毎日を吐き続ける。

 

3.あの頃

あの頃の私はきっとずっと寂しかったのだと思う。完璧とはその脆さと紙一重のようなもので、いつか壊されてしまうことをずっと待っている。

私は完璧でありたかった。あの人にとっての完璧な子供でありたかった。そうすれば、愛されると信じていたから。でも私が完璧であること頑張ることを辞めたら、あの人は他の代わりを簡単に見つけてしまった。脆く鈍く崩れ落ちていく。愛なんてなかった。誰かが誰かを埋め合わせで補完していく。私はその事実に触れただけ。でも、あの頃の私には崩れていく自分を守れるほど大人でもなかったし強くもなかった。足りなかった。何も足りていなかった。

 

4.111

リスカ跡であみだくじを作って、行動の決定権でも委ねてみようかな。

小学校も中学校も高校も大学も数年で、その関係性も環境も様変わりしていくのに、どうして同じところでずっと働かないといけないのか。